急速充電器取り扱い注意

日頃は当社製品をご愛用いただきまして誠にありがとうございます。
最近、当社充電器AC／DCエキスパートチャージャー（No.76115)をご使用いただいているユーザー様が、この充電器で中国製のニッケル水素バッテリー（7.2V　3600mAh　6セル・ストレートパック）を充電中にバッテリーが爆発するという事故がありましたことを報告させていただきます。
このバッテリーは、2007年5月に購入されてから10回ほど使用し、最後に使用した後にそのまま２週間ほど経っていた状態のもので、爆発は電流値3〜4A位で充電し始めてから30〜40分後に起こったということです。
幸い、お怪我はされなかったようですが、爆発によって飛散したバッテリーの破片等で一部畳が焦げるという事態に至りました。

使用された充電器を回収して検査いたしましたが、異常はありませんでした。
爆発したバッテリーについては検査不能でしたが、事故に遭われたユーザー様は全く同型のバッテリーを同時に3本ご購入されていたということで、残りの2本をお預かりして検査いたしましたところ、そのうちの1本は非常に低い電圧を示し、過放電状態または1個（以上）のセルに異常がある状態と推察されました。
爆発事故の直接の原因を明確に特定することはできませんが、この件をバッテリーメーカー様に照会いたしましたところ、「最近のニッケル水素バッテリーは自己放電が早く進みがちでメンテナンスを行なっていないと比較的短期間に過放電になる特性があり、パックバッテリーを構成する複数セル間の残容量バランスがくずれ易く、急速充電によって残容量の多いセルの過充電を引き起こし、ひいては爆発を起こす可能性があります。（適切なメンテナンスを行なうことで事故を防止することができます。）」という回答をいただきました。
（※メンテナンスの例はこちらのページをご参照ください。ミワホビー／ラジコン世界チャンピオンメカニック ひろさか）
ユーザー様におかれましては、以下に記します「ニッケル水素バッテリーの充電における注意」を充分にご理解いただき、これに従って弊社充電器を安全にご使用いただけますようお願い申し上げます
また、弊社充電器をお取り扱いいただいております販売店様におかれましては、弊社充電器をお求めのお客様に、この「ニッケル水素バッテリーの充電における注意」を充分にご説明いただき、ご理解いただいた上で販売していただきますようお願い申し上げます。

• 新品、及び長期保存されたニッケル水素バッテリーは過放電状態になっている可能性があります。バッテリーの取扱説明書を良くお読みいただき、
• また必要があればバッテリーメーカーや発売元に取り扱い方法を確認した上で充電を行なってください。（※）
• 電圧が1セルあたり1.0V以下（7.2Vパックの場合は6.0V以下）になっているニッケル水素バッテリーはＡＢＣホビー製充電器で充電しないでください。
• 充電を行なうときは、バッテリーを不燃性かつ絶縁性の容器（陶器など）の中に入れてください。ただし容器にフタをしないでください。
• 破裂して飛散するので危険です。　また、近くに燃えやすいものを置かないでください。
• 充電中のニッケル水素バッテリーが異音を発したり、異常高温になったり、煙を出し始めたりした時は直ちに充電を中止してください。
• また、その後も爆発の危険性がありますのでしばらくは近付かないでください。
• 充電中は充電器・バッテリーの側から離れず、充分な監視のもとで行なってください。離れるときは充電を中止してください。

事故の実際の写真です。

◆ ACデルタピークエキスパートチャージャー（品番 76200）の場合

1.
充電を行う前に、市販されているテスターでバッテリーの電圧を測定してください。電圧が1セル当たり1.0Vを下回る値の場合、充電を行わないでください。（6セル7.2Vバッテリーの場合、電圧が6.0V以上あることが必要。） 写真のバッテリーは6セル7.2Vバッテリーですが、テスターにて計測された電圧は3.564Vとなっていますので、充電には適しません。
このような場合、充電を行わないでください。

2.
このバッテリーの電圧は6.564Vあることが示されているので、充電を行うことができます。

3.
充電は、不燃性かつ絶縁性の容器を用い、風通しの良い安全な場所で行なってください。

※姉妹機種のACミニデルタピークエキスパートチャージャー（品番 76201）の場合も同様です。

◆ AC／DCエキスパートチャージャーLite（品番 76150）の場合

1.
充電を行う前に、市販されているテスターでバッテリーの電圧を測定してください。電圧が1セル当たり1.0Vを下回る値の場合、充電を行わないでください。（6セル7.2Vバッテリーの場合、電圧が6.0V以上あることが必要。） 写真のバッテリーは6セル7.2Vバッテリーですが、テスターにて計測された電圧は3.564Vとなっていますので、充電には適しません。
このような場合、充電を行わないでください。

2.
このバッテリーの電圧は6.564Vあることが示されているので、充電を行うことができます。

3.
充電は、不燃性かつ絶縁性の容器を用い、風通しの良い安全な場所で行なってください。

◆ AC／DCエキスパートチャージャー（品番 76115）の場合

1.
充電を行う前に、液晶表示切替スイッチを"VOLT"の位置に設定してバッテリーの電圧を測定してください。
電圧が1セル当たり1.0Vを下回る値の場合は充電を行わないでください。
（6セル7.2Vバッテリーの場合、電圧が6.0V以上あることが必要。）

写真のバッテリーは6セル7.2Vバッテリーですが、液晶画面にて表示された電圧は4.21Vとなっていますので、充電には適しません。
このような場合、充電を行わないでください。

2.
このバッテリーの電圧は7.00Vあることが示されているので、充電を行うことができます。

※姉妹機種のAC／DCエキスパートチャージャーBL（品番 76116）、AC／DCエキスパートチャージャー7A（品番 76160）、AC／DCエキスパートチャージャー5ABL（品番 76117）の場合も同様です。

◆ LIPO AC／DCエキスパートチャージャー（品番 76170）の場合

1.
取り扱い説明書の指示に従って充電準備を行ってください。
ニッケル水素／ニカド／リポのモードを間違わないように注意してください。

2.
一度スタートボタンを押して充電を開始してください。
開始と同時に液晶画面に表示される電圧を確認してください。
電圧が1セル当たり1.0Vを下回る値の場合は充電を行わないでください。
（6セル7.2Vバッテリーの場合、電圧が6.0V以上あることが必要。）

写真のバッテリーは6セル7.2Vバッテリーですが、液晶画面にて表示された電圧は5.46Ｖとなっておりますので充電には適しません。
もう一度スタートボタンを押して充電を緊急停止してください。
充電を継続すると危険です。

3.
このバッテリーの電圧は7.70Vあることが示されているので、充電を行うことができます。

以上を守り、より安全にラジコンを楽しみましょう。